ドローンによって工事現場を空撮し、その画像データをPCで処理して現況地形の3Dモデルを作成し、土量計算などに活用する取り組みが様々な現場で行われている。
通常の空撮画像による処理の問題点は、草木が生い茂っている地面の場合、その下にある地盤の表面形状まではわからない。
鹿島はニコン・トリンブル(測量機器メーカー:東京都大田区)、ルーチェサーチ(ドローン計測:広島市)と共同で、この問題を解決する空中測量を開発中。
大分市内で建設中の大分川ダム工事現場にて試験的に計測し、成功を収めた。
専門家によると「大規模な現場でドローンによるレーザー測量を行った例は、国内でも珍しい」とのこと。
ドローンにレーザー測量器を取り付けて計測、
高密度・高精度の点群データを取得することに成功。
レーザースキャナーを使う場合、ドローンに搭載されたGNSS(全地球測位システム)とジャイロセンサーによって機体の位置が得られるため、通常の空撮時に必要となるターゲットを設置する必要がない。
今回の大分川ダム現場では、たった13分間で20haの広さを測量。
データ処理に要した時間は約6時間。
高精度の地上型3Dレーザー測量の結果と比較し、
90%以上の測量点が±4.5cm以下の精度に納まる好成績。
鹿島は昨年実施した同様のテストより精度が向上したことをことを明らかにした。
通常の空撮では地表をスキャンることはできないが、レーザースキャナーの
レーザー光の一部は、樹木や草のすき間から地上に到達するため、点群データの下の方をPC処理することで、地表のスキャンが可能となる。
また、画角が通常の空撮(カメラによる)よりレーザーの方が広いので一経路での測量幅が広く、時間短縮につながり、「電線なども正確に計測」、「夕暮れ時でも測量」、といったメリットもあるという。
鹿島はさらにドローンレーザー測量の精度を高め出来形管理などに活用するほか、より低価格で利用できるように開発を進めていく予定。